こんにちは、みなゴルフコーチです
私は毎週末、PGAや女子プロの試合をチェックしています。
最近その中で気づいたのが、「前傾角度が深いアドレスをしているプロ選手が減っている」ということです。
もちろん、手元の位置は低くても、前傾そのものは浅めという選手が多く見られます。
代表例としては、ブライソン・デシャンボー選手(手元高め、ハンドアップタイプ)や小平智選手、女子では申ジエ選手や稲見萌寧選手などが挙げられます。
なぜ前傾角度が浅くなっているのか?
近年は、クラブの進化とともに**「飛距離」が重視される時代**になってきました。
特にPGAでは、飛ばせない選手は結果を出すことが難しくなってきているのが現実です。
それにともない、スイングスタイルも変化しています。
昔のスイング:
- 大きく体を移動させる「スエー」が主流
- 深い前傾で構えるスタイルが多かった
現在の主流:
- 軸を中心とした「回転重視」のスイング
- 浅めの前傾で、体の回転スピードを高めるスタイル
前傾が深すぎると、回転動作がしづらくなり、スイングスピードを落としてしまうため、飛距離に不利になる可能性があります。
クラブパスとフェース向きの関係性
クラブパスとは、インパクト前後のクラブヘッドの通り道のこと。
昔は「スイング軌道(プレーン)が球筋を決める」と考えられていました。
しかし解析機の進化により、球の飛び方はフェースの向きによって決まることがわかってきました。
簡単に言うと…
- 垂直に近い円運動でクラブを振ると、フェース面が直角になりやすく真っすぐ飛びやすい
- 水平に近いスイング(=前傾が深すぎる)は、フェースが開きやすく右に出やすい傾向にある
パターが垂直に近い動きで、真っすぐ転がりやすいのと同じ原理です。
じゃあ、どんなアドレスが良いのか?
ゴルフクラブは現在、ミスに強く曲がりづらい設計になっています。
ですので、あえて球を曲げるような構えや打ち方は必要なくなりつつあると言えるでしょう。
そのため、私は生徒さんには**「前傾角度を深くしすぎない」**アドレスをおすすめしています。
アドレスにおける「手元の位置」と「重心の位置」
◆ 手元の位置はどうする?
かつては「体から握りこぶし2個分離す」と教えられていましたが、
最近のPGA選手たちは、手元が体にかなり近い傾向にあります。
多くは、
- 握りこぶし1個分ほど
- 中には体にくっつくほど近い選手も
これは、前傾を浅めにし、肩の力を抜いた自然な位置に腕を下ろした結果とも言えます。
しかも、手元が体に近い方が力が入りやすいのです。
◆ 重心の位置に注意!
レッスンをしていると、アマチュアの方の多くが
- つま先に重心がかかりすぎ
- あるいは、かかとに重心が逃げすぎ
といったバランスの悪い重心位置で構えているケースが多く見られます。
重心バランスが悪いとどうなる?
人間の体は、頭が一番重くて前に出ている構造です。
そのため、足元の重心バランスが悪いと、頭を支えきれずにこんな不具合が起きます:
- 前傾角がトップで起き上がる
- ダウンスイングで前のめりになる
- 結果、スイングエラー・ミスショットに繋がる
実際に、ドライバーが全く当たらないという方のスイングを見た際も、原因は動きではなくアドレスの重心位置でした。
重心を修正しただけで、しっかり当たるようになったのです。



正しいアドレスのポイント
理想的なアドレスとは、
**脇下、膝頭、母指球(足の親指の付け根)**が一直線になっていることです。
これは、赤線で表示された1枚目の画像にあるアドレス姿勢が理想形。
- 2枚目は、前傾が浅すぎて姿勢が起きてしまっている例
- 3枚目は、頭が前に出すぎて重心がかかと寄りになっている例
まとめ:まずはアドレスを見直してみよう
もしあなたが…
- 練習してもなかなか当たらない
- 方向が安定しない
- フォームに自信が持てない
という悩みをお持ちであれば、まず最初にアドレス=構えを見直してみてください。
アドレスが変われば、スイングも自然と良くなります。
地味なようでいて、最も影響力のある部分です。
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